2025年繁忙期直前! 最新賃貸市場と成功戦略

2024.12.12

情報更新2024.12.12

ハウスコム株式会社では、年明けから始まる繁忙期に向けて、 家主様向け大型イベントを 9 月 28 日(土)から 12 月 1 日(日)までの間、東京・横浜・名古屋・大宮・千葉の順に開催しました。

大宮会場・千葉会場では、ハウスコム東東京(株)・ハウスコム千葉(株)代表取締役社長 塚田敦志が、 「2025年繁忙期直前! 最新賃貸市場と成功戦略」というテーマで講演しました。現在の賃貸市場が直面している課題や、今後の経営戦略において注目すべきポイントについて、具体的な事例を交えてわかりやすくお話させていただきました。

本記事では、講演の内容の一部を以下に要約してご紹介いたします。


2025年繁忙期直前! 最新賃貸市場と成功戦略

1.2024年賃貸市場動向と人口変動

 1) 既存物件の競争激化が予測される2025年繁忙期

講演では、新設住宅着工戸数の減少や成約件数の増加といった市場の変化について解説しました。2024年の賃貸市場は、コロナ禍を経て転勤や進学による移動が活発化し、成約件数は増加傾向にあります。一方で、建築費高騰などにより新設住宅の着工戸数は減少していることから、2025年の繁忙期は『既存物件の競争が一層激化する』と予測されます。

参考資料:(公社)全国宅地建物取引業協会連合会 不動産総合研究所が提供する「 不動産市場動向データ集 2024年9月」

 2)高齢化と 外国人労働者の増加

日本の人口の約30%が65歳以上となる一方、働く外国人の数は300万人を超え過去最高を更新しています。 特にベトナム人労働者が顕著に増加しており、外国人技能実習生や就労ビザでの雇用が背景となっています。 これらの動向を踏まえ、今後の市場ニーズを見据えた経営戦略が重要です。

国籍・地域別在留外国人推移

参考資料:総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」令和6年1月1日時点より

 3)「次に引っ越す際に欲しい設備」と「満足度の高い設備」

リクルートが実施した「2023年度 賃貸契約者動向調査(首都圏)」によると、入居者が求める設備と満足度の高い設備が明らかになりました。その中で特に注目されるのが「宅配ボックス」です。宅配ボックスの設置は、入居者にとってさまざまなメリットをもたらしています。例えば、「荷物が届く時間にとらわれない」「配送業者を装った強盗事件への対策になる」など、利便性と安全性の両面で評価されています。また、社会的な観点からも「再配達の削減」「二酸化炭素排出量の低減」といった効果が期待され、一部の市町村では新築物件に宅配ボックスの設置を条例で義務付ける動きが進んでいます。このように、入居者個人の利便性に加え、社会全体の環境負荷軽減にも寄与する宅配ボックスは、今後もさらに需要が高まると予測されています。

千葉会場の様子

参考資料:株式会社リクルート 2023年度 賃貸契約者動向調査(首都圏)

2.2025年繁忙期の成功戦略『入居条件の緩和』

 1)外国人技能実習生の社宅需要を取り込む

既存物件が増える中で、競争力を高めるためには他物件との差別化が重要です。入居条件を柔軟に設定し、外国人労働者や高齢者の受け入れに対応することがポイントになります。外国人技能実習生の社宅を手配する企業は、「入居してから退去するまで、トラブルを避けたい」という気持ちがあります。 家主様が設備や契約条件を整えることでトラブルを回避できます。

例えば、次のような対応が有効です 。

  • 照明、エアコン、ガスコンロなど基本設備の充実。
  • 退去時クリーニング代の事前提示。
  • 入居前にクリーニングと設備点検を完了させる。 etc.

このような「安心して契約できる環境」を整えることが、企業側の信頼を獲得に繋がります。

 実例:ゴミ出しルールの伝え方と駐輪場の拡張

2024年3月に外国人労働者向けの社宅を6世帯18名受け入れた家主様は、駐車場を駐輪場に変更し、人数分の駐輪スペースを確保したり、入居者の母国語の掲示物を設置するなどの工夫がありました。

外国人の受入れをした家主様の工夫事例

このような対応は多言語対応コールセンターの活用や管理委託を組み合わせることで、家主様の負担軽減が可能となります。

 2)契約開始日の調整で学生需要を取り込む

2025年に大学へ進学する学生の部屋探しは、2024年11月には、既に始まっています。推薦入試と一般入試で合格発表のタイミングは異なれど、学生達は3月20日以降に契約が開始できる部屋が求めています。学生需要の取り込みは契約開始日の調整と柔軟な対応がポイントとなります。

 3)設備設置策による平準化と差別化

エアコン、独立洗面台、テレビインターホン、2口ガスコンロといった設備は、現在では「設置されていて当たり前」の標準設備となっています。以前は差別化要素だった設備も、競争が激化する中で平準化が進み、物件間の差が見えにくくなっています。

エアコンや独立洗面台などの標準設備が整っていない物件では、まずは設備への投資が必要です。これらの設備が欠けている場合、入居者候補から選ばれにくくなるためです。 標準設備が整っている場合、さらに差別化を図るためには、ターゲット層の生活に合わせた設備の導入が有効です。

  • 高速インターネット:テレワーク、動画配信、ゲーム、子供の動画学習
  • スマートロック:子供の鍵締め忘れ、鍵の紛失防止
  • 宅配ボックス:通販の多い家庭、防犯対策 etc.

これらの施策は、競争力の向上に寄与するとともに、物件の長期的な魅力を高めるでしょう。

3.ハウスコムの取り組み

 1)一般社団法人 外国人留学生支援 KAKEHASHI

ハウスコムは、2022年12月に設立した 一般社団法人 外国人留学生支援KAKEHASHIに加盟し、 弊社の代表取締役社長執行役員である田村穂が理事に就任しています。 外国人留学生が日本で安心して生活できる環境を整えるために、住まい探しから生活サポート、就職活動支援まで、幅広い支援を行っています。

一般社団法人 外国人留学生支援 KAKEHASHI

 2)大学との提携・アバター接客のトライアル

ハウスコムは、大学生協事業連名への加入や大学との個別提を進めています。学生が気軽に相談できる「お部屋探し相談ブース」を大学内に用意しています。提携大学とアバターによる接客のトライアルも進めています。 学生との接点を増やし、信頼を築いています。

アバターによる接客の様子

 3)家主様を支える多彩なサービス

ハウスコムでは、入居者募集業務を事業の核とし、管理、売買、リフォーム、不動産買取・再販など、幅広いサービスを提供し、家主様の賃貸経営をトータルでサポートしています。さらに、 セミナーや最新情報の発信を通じて、家主様の経営課題を解決するサポート体制を整えています。

千葉会場 相談ブースの様子

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