自主管理でのトラブル事例とその解決策
2025.7.25
自主管理を選ぶ大家さんにとって、トラブル発生時の対応は「資産価値を守るかどうか」の分岐点。
本記事では、代表的なトラブルとその解決策、教訓を共有します。
📌 目次
- 退去時の敷金トラブル
- 家賃滞納問題
- 設備故障・修繕対応
- 騒音・近隣クレーム
- ペット飼育によるトラブル
- 水漏れ・緊急対応
- 解決のポイントとベストプラクティス
- まとめ
1. 退去時の敷金トラブル
トラブル内容:クロス一面の汚れに対して全面張替え費用を請求し、借主と揉めた。
対応方法:国交省の原状回復ガイドラインに基づき、入居者負担と大家負担の明確な線引きを説明。写真や動画を活用し、内訳を丁寧に文書で開示して交渉を行った。
教訓:契約書に「クロス汚損時の取扱い」「ハウスクリーニング代の特約」などを明記しておくことで、認識のずれやトラブルを未然に防げる。
2. 家賃滞納問題
トラブル内容:複数月の家賃滞納+連絡不通。
対応方法:
- 発見直後に電話・メールで丁寧に連絡。理由を確認し支払い計画を調整。
- 連絡が取れなければ連帯保証人へ連絡。
- 未解決では内容証明郵便を送付し、成らない場合に法的手続き(明け渡し訴訟)へ移行。
教訓:初動対応が成功のカギ。督促のタイミングと方法(深夜・早朝の連絡NGなど)に配慮する重要性。
3. 設備故障・修繕対応
トラブル内容:給湯器の故障や水漏れなど、緊急対応が必要だったケース。
対応方法:信頼できる業者を迅速に手配し、工事内容と費用を明確化。費用精算は契約条項を確認し、請求または大家負担を整理。入居者との協議で納得を得た。
教訓:日頃からの契約書明記と業者への優先対応を手順化しておくと、信頼性と迅速性が高まる。
4. 騒音・近隣クレーム
トラブル内容:夜間の音漏れで別の入居者から苦情が発生。
対応方法:当事者聴取→音源や時間帯の把握→契約書のルール再確認→注意喚起→再度連絡で収束。
教訓:入居時に「生活音に関するルール」や「共有部分利用ルール」を明記し、定期的な情報共有や連絡を習慣化すべき。

5. ペット飼育によるトラブル
トラブル内容:無断でペット飼育→フローリング傷や臭気、鳴き声を巡る近隣苦情。
対応方法:規約違反を指摘→飼育証明書の提出を促す→契約違反である旨を説明→必要に応じ補修・クリーニング費用を敷金から精算。
教訓:契約書に「ペット飼育可否」「原状回復範囲」を明確に書く。無断飼育が発覚した場合は早期対応を。

6. 水漏れ・緊急対応
トラブル内容:夜間にトイレ下の配管破裂で大量漏水。
対応方法:深夜でも業者対応→入居者一時退避→鍵交換→費用は入居者負担として請求(契約書の条項に基づく)。
教訓:緊急事態に備え、24h対応できる業者リストを準備。火災保険や保証会社の補償内容も事前に確認。

7. 解決のポイントとベストプラクティス
- 証拠の明確化:写真・動画・書面で記録を残す
- 条項の明文化:敷金、修繕、音・ペットなどのルールを契約に反映
- 迅速かつ丁寧な初動:電話・メール・内容証明など段階を明確に
- 証拠と記録:連絡履歴や支払い状況はエビデンスとして保管
- 相談ルート整備:必要時は自治体、専門家、保証会社、弁護士に相談
まとめ
自主管理ではトラブルは起きて当たり前のことです。
肝心なのは「いかに早く・正確に・丁寧に対応するか」です。
トラブル解決は「信頼を失わない」「資産を守る」ための大切な力。
どうか早期対応&記録重視で、自主管理を成功に導いてください。
読者の皆さんも「あなたの体験」や「現場で役立った対応」をぜひコメントで共有してください。
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